市販薬、漢方薬、サプリメントを処方薬と一緒に使用できるかどうかは、製品に含まれる成分と処方薬の組み合わせによって異なります。処方箋なしで購入できる製品や、「天然由来」「健康食品」と表示された製品であっても、必ず安全に併用できるとは限りません。新しく使用する前に、製品名、成分、使用量などを医師または薬剤師へ伝え、併用してよいか確認してください。
市販薬にも処方薬と重複する成分があります
かぜ薬、解熱鎮痛薬、咳止め、鼻炎薬、睡眠改善薬、酔い止めなどの市販薬には、処方薬と同じ成分や、似た作用を持つ成分が含まれている場合があります。成分や作用が重複すると、眠気、ふらつき、口の渇きなどが強く現れる可能性があります。
市販薬の商品名が異なっていても、同じ成分が含まれていることがあります。また、複数の症状に対応する総合感冒薬などには、複数の有効成分が配合されています。商品名だけで併用の可否を判断せず、外箱や説明書に記載されている成分名まで確認してください。
漢方薬にも副作用や飲み合わせがあります
漢方薬も医薬品であり、体質に合わない場合や、ほかのお薬と成分が重複する場合があります。医療機関から処方される漢方薬だけでなく、薬局やドラッグストア、インターネットなどで購入した漢方薬についても、診察時に申告してください。
異なる名称の漢方薬に同じ生薬が含まれている場合もあります。処方薬と市販の漢方薬を併用すると、知らないうちに同じ生薬を重複して摂取する可能性があります。「漢方薬だから副作用がない」「天然成分だから処方薬と一緒に飲んでも問題ない」とは限りません。
サプリメントや健康食品も処方薬に影響することがあります
サプリメントや健康食品は医薬品ではありませんが、含まれる成分によっては、処方薬の作用を強めたり、反対に弱めたり、望ましくない相互作用を起こしたりする可能性があります。厚生労働省は、病気などにより身体に不安がある方に対して、健康食品を利用する前に摂取の可否を医療機関へ相談するよう案内しています。
例えば、ハーブ成分のセントジョーンズワート(セイヨウオトギリソウ)は、多くの医薬品と相互作用する可能性があり、一部の抗うつ薬との組み合わせでは重い副作用のリスクに影響する可能性があります。また、鎮静作用を持つ可能性のあるサプリメントと、睡眠薬や抗不安薬などを併用した場合、眠気などの作用が強まる可能性があります。
ただし、特定の成分について一般的な注意情報があっても、実際に併用できるかどうかは、服用しているお薬、用量、持病、体質などによって異なります。インターネットの記事や知人の経験だけで判断せず、医師または薬剤師へご相談ください。
診察時には使用しているものをすべてお伝えください
診察時には、処方薬だけでなく、市販薬、漢方薬、ビタミン剤、ミネラル、プロテイン、ハーブ製品、美容・ダイエット目的のサプリメント、エナジードリンクなど、日常的または一時的に使用しているものを可能な限りすべてお伝えください。治療中の症状とは関係がないと思われる製品でも、処方薬との飲み合わせを確認するうえで重要な情報となります。
商品名だけでは成分を確認できない場合があります。診察または薬局での相談時には、商品の容器、外箱、説明書、成分表示の写真、購入したウェブサイトの商品画面などをご準備ください。製品名、製造販売元、1回の使用量、1日の使用回数、使用を始めた時期を伝えられるようにしてください。
自己判断で処方薬を調整しないでください
市販薬やサプリメントを使用するために、処方薬の服用量を減らしたり、服用する時間をずらしたり、処方薬を中止したりしないでください。また、処方薬の代わりとして漢方薬やサプリメントへ切り替えることも、自己判断では行わないでください。
一緒に服用する時間をずらせば、すべての飲み合わせを避けられるとは限りません。成分によっては、服用する時刻を離しても体内で影響し合う可能性があります。服用間隔を空けることで対応できるかどうかも含め、医師または薬剤師へ確認してください。
新しく購入する前に薬剤師へ相談してください
市販薬や漢方薬を購入する場合は、購入前に薬剤師または登録販売者へ、現在服用している処方薬と治療中の病気を伝えてください。ただし、処方薬の変更や服用中止など、治療方針に関する判断は処方医への相談が必要です。
サプリメントや健康食品については、販売店で購入できたことや、パッケージに「自然」「健康」「リラックス」などと表示されていることだけでは、安全な併用を保証できません。海外から購入した製品や、成分量が明確でない製品については、特に慎重な確認が必要です。
併用後に異常を感じた場合
市販薬、漢方薬、サプリメントなどを併用した後に、強い眠気、ふらつき、動悸、吐き気、発疹などの異常を感じた場合は、使用した製品と症状を確認し、医師または薬剤師へ速やかにご相談ください。相談する際は、服用したすべての製品名、服用量、服用時刻、症状が現れた時刻をお伝えください。
息苦しさ、顔・唇・舌・喉の腫れ、意識がもうろうとする、呼びかけへの反応が低下する、けいれんなど、緊急性が疑われる症状がある場合は、オンライン診療やお問い合わせへの回答を待たず、119番へ連絡するか、お近くの救急医療機関を受診してください。