高校生・中学生・小学生のうつ病(原因・症状・対処法) ウィーミート院長ベトリッジ クリス先生精神科医 更新日 2025/04/29 本記事では、高校生・中学生・小学生のうつ病(思春期うつ)について、成人のうつ病との違いや年齢ごとでの症状の変化を中心に症状を解説し、学生がうつ病かも?と思ったときの対処法を紹介します。最後に、オンライン診療WeMeetのご案内をします。 目次学生(高校生・中学生・小学生)のうつ病の症状・行動成人のうつ病との違い年齢ごとの違い学生のうつの対処法オンライン診療について 学生(高校生・中学生・小学生)のうつ病の症状・行動 学生のうつ(思春期うつ)とは? 学生(高校生・中学生・小学生)にもうつ状態はあります。不登校が続いたり、家庭環境に問題があったりと、背景は様々です。 思春期では心の成長・変化が見られます。特に、アイデンティティの確立、将来への不安、人間関係、親子関係などの問題が思春期うつの背景として見られます。 学生のうつ(思春期うつ)で多く見られる症状・行動 学校に行けない 部活に行けない 勉強できない イライラが強い 成績の低下 暴力 性的依存 成人のうつ病との違い 症状が出揃っていないことがある 学生のうつでは、典型的な症状が出揃わないことがあります。例えば、不安な気持ちや希死念慮の一方で食欲があるなどです。 また、典型的な症状とは逆の症状が見られることもあります。食欲減退ではなく食欲増加、不眠ではなく過眠などです。 (参考)成人うつの症状 気分が落ち込む 楽しみや興味が少ない 食欲がない 眠れない すぐに疲れる 集中力が減る 自分には価値がないと感じる 死んでしまいたいと思う 抗うつ剤が効かない場合もある 特に上記のように症状が出揃っていない場合、抗うつ剤の効果が期待できないことがあります。 症状や処方の見極めが難しく、治療には医師が正確に診察を行うことが重要です。 インターネットでは「18〜24歳未満の方に抗うつ剤を処方すると希死念慮が強くなる」という情報がみられますが、医師は必ず患者さんやその家族にリスクの説明を行います。不安な場合は医師へ質問をしましょう。 多くの場合で、少量での処方から治療が始まります。 親に相談できないことがストレスになる 学生特有のストレス要因として、家庭環境に問題がある場合や親に相談ができないことが挙げられます。 可能であれば家族へ相談して対処すべきですが、難しい場合は一人で抱え込まず本記事の相談先へ相談をしてください。 年齢ごとの違い 小学生 自分の症状や心の中をうまく言葉にできないことや、俯瞰的に症状を捉えて考えを整理することが難しいことが多いため、頭痛・腹痛・食欲減退や行動の抑制という形で症状が現れることが多いです。 医師の診察時には親からの情報をもとにすることもあります。 クラスの中での人間関係や先生との関係などで症状が起きることが多いです。 中高生 自分の症状を言葉にできるようになり、成人うつの症状に近づきます。無気力・無関心(趣味に興味がなくなる)や不眠の症状が見られるようになります。 学校での人間関係に加え、勉強や受験のストレス、恋人関係などストレスの要因も広くなります。 学生のうつの対処法 思い切ってしっかり休む・寝る 軽度なうつ症状に効果的なのが休むことです。 ストレスの原因が仕事や学校の場合は、会社・学校を休んでしっかりと寝てみることも選択肢です。 ただし、休んでいる期間に症状が悪化したり、改善が見られない場合は医療機関の受診を検討してください。 生活習慣(食事・運動・睡眠)を改善する 規則正しい生活は自律神経・ホルモン分泌のバランスを整えます。なるべく決まった時間に食事を摂り、睡眠不足や夜更かしをできる限りやめるよう心がけましょう。 また、軽い運動を取り入れることはホルモン分泌や睡眠の観点から重要です。 誰かと話す・周りの人に相談する 家族、友人、上司など信頼できる人に症状について無理のない範囲で相談してみましょう。 症状や悩みのことを話すのは難しくても、人と話すだけでも症状が改善することがあります。 休学も選択肢 うつ病の治療では、患者さんや家族との相談の上で休学が必要と診断されることもあります。 無理をして登校し続けると病状が悪化することもあるので、休学することも選択肢の一つとして想定しておきましょう。 相談をするべき?病院に行くべき?どこに相談すれば良い? 「こんなことで親に伝えて病院に行っていいの?」「みんなも病んでいる」「うつ病は甘え」 学生の方から寄せられがちな声ですが、うつ病は治療可能な病気で、放置すると悪循環により症状が深刻化するため早期受診がとても重要です。 学生時代は特に親や他人に自分の気持ちを伝えることの不安や緊張が強いですが、 ・悩みが数ヶ月間続いている ・無気力、不眠や食欲減退、その他の身体的症状が見られる ・日常生活に支障が生じている 場合は医療機関を受診することをおすすめします。 成人うつの記事ですが、下記記事も参考にしてください。 心療内科・精神科に行くべき人とは?基準となる症状を解説【行ってはいけない人は?】 相談先は、心療内科・精神科の受診が最も望ましいです。 ただし、今の症状で病院に行くべきか不安な方、病院受診にハードルを感じる方、親にどうしても伝えられず病院に行けない方には、保健室やその他の選択肢をご紹介します。 相談先① 学校の保健室・スクールカウンセラー 保健室の先生(養護教諭)・スクールカウンセラーは、精神疾患についても知識があります。 親に相談できない場合、病院に行くべきかわからない場合や抵抗を感じる場合、とりあえず相談がしたい場合などには、まず学校の保健室・スクールカウンセラーへ相談に行きましょう。 相談先② 公的相談窓口 医療機関を受診すべきかどうかわからないとき、親に相談できないときなどは、近くにある公的な相談窓口を利用してみましょう。 保健所 不眠、うつなど、こころの病気に関する不安や悩みのほか、家庭内暴力やひきこもり、不登校など思春期の問題に関する相談、アルコール・薬物などの依存症に関する相談が可能です。医師などのこころの専門家に相談することもできます。 保健所管轄区域案内|厚生労働省 精神保健福祉センター こころの健康相談から精神医療に関わる相談、アルコール・薬物乱用、思春期・青年期の相談などが可能です。こころの病気に関する不安があるとき、医療が必要かどうかも相談できます。近隣の医療機関などを紹介してもらうことも可能です。 全国の精神保健福祉センター|厚生労働省 こころの健康相談統一ダイヤル こころの問題について、本人はもちろん、家族など周囲の人も気軽に相談できる公的な窓口です。地方自治体が運営しており、相談は無料で秘密も守られます(通話料はかかります)。都道府県・政令指定都市が運営している「心の健康電話相談」などにつながる全国共通の電話番号を紹介するサイトです。電話をかけた所在地の公的な相談機関に接続されます。 こころの健康相談統一ダイヤル|厚生労働省 いのち支える相談窓口 こころと体の健康・病気に関する様々な悩みを受け付ける公的な相談窓口です。 いのち支える相談窓口等 │ 厚生労働大臣指定法人・一般社団法人 いのち支える自殺対策推進センター 不登校やいじめ、ひきこもりなどの相談窓口 児童相談所・児童相談センター・子ども家庭支援センター(児童家庭支援センター)などでは、18歳未満の子どもやそのご家族を対象として、子育てやしつけの悩み、発達障害、子どもの行動上の問題などについて相談することができます。 教育センターでは、高校生相当の年齢までの子どもやその保護者、学校関係者を対象として、不登校やいじめ、発達障害など、教育場面での悩みを中心に相談することができます。 ひきこもり地域支援センターでは、ひきこもりで悩んでいる方やご家族からの相談を受け付け、必要に応じて関係機関と連携した支援を行っています。 発達障害者支援センターでは、発達障害に関する相談を受け付け、必要に応じて関係機関と連携した支援を行っています。 公的相談窓口のまとめ・電話窓口の紹介 多くの相談窓口を紹介しましたが、迷ったら保健所や精神保健福祉センターに問い合わせをしましょう。 ただし、「死にたい」「消えたい」「生きることに疲れた」という気持ちが生まれて緊急性が高い場合は24時間対応の電話相談窓口の利用も検討してください。 出典:こころの相談の窓口について|厚生労働省 相談先③ 心療内科・精神科 症状が改善しない場合や、お薬による治療・医師による専門的な治療を受けたい場合は心療内科・精神科を受診しましょう。 初診で医師が症状について丁寧に質問を行います。薬物療法を行う場合は、抗うつ剤や睡眠薬の処方が行われることがあります。薬物療法に抵抗のある方は医師にその旨を伝えましょう。 ただし、保険診療を受けるには保険証が必要です。学生(小学生・中学生・高校生)は保護者の扶養に入っていることがほとんどで、可能であれば親に相談してから通院をしましょう。 保険診療を受けると通院歴が親に知られることがあります。どうしても親に知られたくない場合は自由診療を受けられますが、治療費が高額になります。 心療内科・精神科の初診については次の記事で詳しく解説しています。 心療内科・精神科の初診について【流れ・話すこと・聞かれることを解説】 オンライン診療について オンライン診療とは? スマートフォンやタブレット、パソコンなどを使って、自宅等にいながら医師の診察や薬の処方を受けることができる診療です(厚生労働省)。 オンラインだと診療の質が落ちるのでは? 実は、約9割の医師が、オンライン診療を取り入れることによって、患者に提供する医療全体の質は「良くなる」「どちらかといえば良くなる」「変わらない」と回答しています。 株式会社メドレー「オンライン診療の実態調査」より オンライン診療ならWeMeetがおすすめ! WeMeetの特徴 ① えらべる診療医師によるオンライン/対面診療の他、心理士によるオンラインカウンセリングがございます。体調や状況に合わせて選択していただけます。 ② ムリなく継続1分で簡単にWEB予約ができるので、24時間いつでもご予約・日程変更が可能です。お財布にやさしい保険診療で、無理なく継続できます。 WeMeetでのオンライン診療の流れ WeMeetでのオンライン診療の流れをご説明します。 日程を選びネットで予約 問診票の記入 医師によるオンライン診療 クレジットカードで簡単決済 お薬の受け取り(最短翌日) \アプリDL不要・1分で予約/ ウィーミートで保険診療を予約する 本記事のまとめ 本記事では、高校生・中学生・小学生のうつ病(思春期うつ)について、成人のうつ病との違いや年齢ごとでの症状の変化を中心に症状を解説し、学生がうつ病かも?と思ったときの対処法を紹介しました。 学生うつでは症状が出揃っていないこと、抗うつ剤が効きづらい可能性があることなどの特徴があり、保護者の理解が必要です。 また、悩みを一人で抱え込まず、適切な機関へ相談することも重要です。 最後に、オンライン診療WeMeetのご案内をしました。本記事が少しでも皆さまのお役に立てれば幸いです。 アプリのDL不要 1分で予約 夜間診察あり 診療(ビデオ通話)、お薬の服薬指導と受取が お財布に優しい保険診療で受けられます。LINE登録はこちら ウィーミート院長ベトリッジ クリス先生精神科医 心療内科・精神科のコラム