悪夢・怖い夢ばかり見る原因は?考えられる精神状態・病気・受診の基準を解説 ウィーミート院長ベトリッジ クリス先生精神科医 更新日 2025/04/17 「悪夢や怖い夢ばかり見る」「悪夢でうなされて夜中に目が覚めて眠れなくなる」「悪夢を見ることが怖くて眠れない」という方へ、本記事では考えられる原因や病気、医療機関を受診すべきかの基準、自分でできる対策について解説します。最後に、オンライン診療WeMeetのご案内をします。 目次悪夢・怖い夢の原因や考えられる疾患・病気悪夢・怖い夢ばかり見てしまうことの対策悪夢・怖い夢の治療方法は?オンライン診療について 悪夢・怖い夢の原因や考えられる疾患・病気 悪夢を見る理由ははっきりと分かっていません。しかし、次のような原因が考えられます。 ストレス・不安・プレッシャー ストレスや不安、プレッシャーが記憶・体験の断片として夢に出ると言われています。 また、ストレスはコルチゾール(ストレスホルモン)の分泌を増加させ、セロトニン(幸福ホルモン)の分泌バランスを崩し、睡眠の質を低下させます。このことも悪夢の原因の一つと考えられています。 疲労・睡眠不足・睡眠の質が低い 疲労や睡眠不足は悪夢の原因となる可能性があります。 また、夢はレム睡眠(浅い眠り)特有の現象です。睡眠の質が低くレム睡眠の時間が長い場合、悪夢を見やすくなることが多くなると考えられます。 睡眠障害(不眠症、過眠症など) 睡眠障害は睡眠に関連した病気の総称で、代表的なものに不眠症・過眠症・睡眠時随伴症があります。 不眠症 不眠症は入眠困難・中途覚醒・早朝覚醒などの睡眠問題によって日中の不調が出現する病気です。うつ病の症状としても見られます。 眠れないストレス、睡眠不足、睡眠の質の低下が続くと悪夢を見やすくなります。 過眠症 過眠とは、夜間十分な睡眠をとっているはずなのに、日中に目覚めていられなくなる強い眠気が出現する症状のことです。 過眠症の原因としては、ナルコレプシーなどを起こす神経伝達物質の異常や、睡眠相後退症候群などを起こす概日リズムの乱れなど色々なものがあります。その中には、睡眠時無呼吸症候群などの二次的な原因もみられます。 例えば睡眠時無呼吸症候群では、睡眠中に呼吸が止まってしまう症状がみられます。呼吸が止まると血液中の酸素濃度が低下するため目が覚めて再び呼吸し始めますが、眠り出すとまた止まってしまって深い睡眠が取れなくなり、過眠や高血圧などを引き起こします。睡眠時無呼吸症候群が疑われる場合はすぐに専門機関での検査・治療を受けましょう。 過眠によりレム睡眠が増加し、体内時計が乱れ、脳のストレス処理がうまくいかなくなることで、悪夢が発生しやすくなります。 睡眠時随伴症 睡眠時随伴症は、代表的なものに睡眠時遊行症(夢遊病)やレム睡眠行動障害があります。夜間に頻繁に目覚めたり深い睡眠が妨げられたりするため、朝の倦怠感や集中力低下、抑うつ症状が現れることがあります。 睡眠時随伴症の一つである悪夢は、レム睡眠中に脳が活発に働くことで起こります。この時にストレスや不安が夢に反映され、強い恐怖や不快感を伴う夢となります。目覚めた後も夢の内容をはっきりと覚えているのが特徴です。 悪夢だけでなく夜尿、睡眠時遊行(目を開けたまま歩き回る)、夜驚症(深い睡眠中に突然恐怖の叫び声をあげる)などが見られる場合は睡眠時随伴症(レム睡眠行動障害)の可能性があるので受診することをお勧めします。 うつ病・適応障害 うつ病は、理由がなくても気分が落ち込み、意欲や眠気、食欲が低下するなどの症状がみられる病気です。 適応障害は、はっきりしたストレス(仕事・人間関係など)が原因で、一時的に心や体に不調が出る状態です。 どちらの疾患でも悪夢が出現することがあります。その理由の一つは、ストレスや不安によって脳の感情処理がうまくいかなくなることです。 特にうつ病では、セロトニンやノルアドレナリンといった脳内の神経伝達物質のバランスが崩れ、睡眠リズムや夢の内容にも影響を与えます。また、適応障害でもストレスによって交感神経が過活動になり、浅い眠りやレム睡眠の異常が起こりやすくなり、悪夢として現れることがあります。 悪夢以外に精神的な症状、不眠・食欲不振など身体的な症状が見られる場合はうつ病や適応障害の可能性も考えられます。 心的外傷後ストレス障害(PTSD)・トラウマ体験 心的外傷後ストレス障害(PTSD)は、生死に関わるような強い衝撃の出来事を経験し、自分の思いとは関係なくその体験がよみがえる反応です。 きっかけとなる出来事に心当たりがあり、そのトラウマ体験に関する悪夢や怖い夢ばかり見る場合はPTSDの可能性を考えましょう。 不安障害 不安障害(不安症)とは、過剰な恐怖や不安によって精神的・身体的な症状が現れたり、行動や日常生活に支障が生じる疾患です。 パニック障害は不安障害の一つで、場所や時間に関係なく、突然激しい動悸や息苦しさ、めまいなどの発作(パニック発作)が繰り返し起こる疾患です。発作がまた起きるのではないか?という恐怖や、発作を避けようとする行動が見られることも多いです。パニック障害では、パニック発作に関わる悪夢が見られる場合があります。 薬の副作用 睡眠薬、抗うつ薬、抗不安薬などの副作用として悪夢が生じることがあります。 睡眠薬では特に、ベンゾジアゼピン系薬剤(ハルシオン、レンドルミン、サイレース、ドラールなど)やオレキシン受容体拮抗薬(デエビゴ、ベルソムラなど)の副作用としての報告がみられます。 他にも、高血圧、パーキンソン病の治療の薬の一部で悪夢の副作用の報告があります。服用中の薬の副作用を確認しましょう。 悪夢・怖い夢ばかり見てしまうことの対策 睡眠環境を整えて良い睡眠を心がける 良い睡眠を目指して、以下のことを心がけましょう。 食事は就寝3時間前までに済ませる 就寝2時間前に入浴する 就寝前にブルーライトを見ない(スマホ・テレビ・PCなど) 就寝前のカフェイン、アルコール、タバコを控える リラックスできる寝室環境を整備する(温度・湿度・光・音・寝具) 生活習慣(食事・睡眠・運動習慣)を整える 規則正しい生活は自律神経・ホルモン分泌のバランスを整えます。なるべく決まった時間に食事を摂り、睡眠不足や夜更かしをできる限りやめるよう心がけましょう。 また、軽い運動を取り入れることはホルモン分泌や睡眠の観点から重要です。 日光を浴びる 起床後すぐに朝日を浴びることで脳内でセロトニンが分泌され、気分が明るくなる効果があります。 また、睡眠を司るメラトニンの分泌にも影響を与えて体内時計がリセットされます。 心療内科・精神科などの医療機関を受診する基準は? 悪夢は誰でも見るもので、精神疾患ではありません。 しかし、 ・悪夢や怖い夢ばかりを継続して見る方 ・悪夢がストレスとなって不眠の症状が生じている、悪夢による不眠で日中の集中力が低下しているなど日常に支障をきたしている方 ・悪夢以外の症状が見られる方 は医療機関を受診してください。 本記事に記載した通り、悪夢には複数の精神疾患が複雑に関わっている可能性があるため、自己判断せず医師の診断を受けることが重要です。 心療内科・精神科の初診について【流れ・話すこと・聞かれることを解説】 悪夢・怖い夢の治療方法は? 薬物療法 症状に応じて様々なお薬が処方されます。 うつ病・適応障害、不眠症、ナルコレプシー、レム睡眠行動障害、PTSD、パニック障害ではそれぞれの症状に応じた治療薬が処方され、症状を押さえて治療を目指します。 非薬物療法 原因となるストレスや出来事の存在が考えられる場合には、認知行動療法による治療が行われることがあります。 認知行動療法とは考え方(認知)と行動パターンを見直すことで、感情や症状を改善する心理療法です。悪夢の原因がトラウマやストレスによる場合にも効果的であるといわれています。 その他、生活習慣の指導などが行われることもあります。 オンライン診療について オンライン診療とは? スマートフォンやタブレット、パソコンなどを使って、自宅等にいながら医師の診察や薬の処方を受けることができる診療です(厚生労働省)。 オンラインだと診療の質が落ちるのでは? 実は、約9割の医師が、オンライン診療を取り入れることによって、患者に提供する医療全体の質は「良くなる」「どちらかといえば良くなる」「変わらない」と回答しています。 株式会社メドレー「オンライン診療の実態調査」より オンライン診療ならWeMeetがおすすめ! WeMeetの特徴 ① えらべる診療医師によるオンライン/対面診療の他、心理士によるオンラインカウンセリングがございます。体調や状況に合わせて選択していただけます。 ② ムリなく継続1分で簡単にWEB予約ができるので、24時間いつでもご予約・日程変更が可能です。お財布にやさしい保険診療で、無理なく継続できます。 WeMeetでのオンライン診療の流れ WeMeetでのオンライン診療の流れをご説明します。 日程を選びネットで予約 問診票の記入 医師によるオンライン診療 クレジットカードで簡単決済 お薬の受け取り(最短翌日) \アプリDL不要・1分で予約/ ウィーミートで保険診療を予約する 本記事のまとめ 本記事では、「悪夢や怖い夢ばかり見る」「悪夢でうなされて夜中に目が覚めて眠れなくなる」「悪夢を見ることが怖くて眠れない」という方へ、考えられる原因や病気、医療機関を受診すべきかの基準、自分でできる対策について解説しました。 悪夢の原因には睡眠の問題、薬の副作用、精神疾患などが考えられることを説明しました。 最後に、オンライン診療WeMeetのご案内をしました。本記事が少しでも皆さまのお役に立てれば幸いです。 アプリのDL不要 1分で予約 夜間診察あり 診療(ビデオ通話)、お薬の服薬指導と受取が お財布に優しい保険診療で受けられます。LINE登録はこちら ウィーミート院長ベトリッジ クリス先生精神科医 心療内科・精神科のコラム