嘔吐恐怖症(症状・治療・オンライン診療) ウィーミート院長ベトリッジ クリス先生精神科医 更新日 2025/05/27 嘔吐恐怖症の診察予約〜お薬の処方がオンライン完結で可能なクリニックWeMeet(ウィーミート)。保険適用・24時間簡単予約・最短当日診療。本記事で紹介する症状でお悩みの方に、嘔吐恐怖症の治療法・オンライン診療についてご紹介します。 目次嘔吐恐怖症とは嘔吐恐怖症の症状嘔吐恐怖症に関連しやすい主な疾患嘔吐恐怖症の治療嘔吐恐怖症のオンライン診療オンライン診療について 嘔吐恐怖症とは 嘔吐恐怖症とは、嘔吐や吐き気、吐きそうな状況、他人が吐くことや吐しゃ物などに対する恐怖が日常に支障をきたしている状態です。 嘔吐自体への恐怖からくる精神的症状・身体的症状に加え、嘔吐に関連する状況を回避する行動も特徴として見られます。 嘔吐恐怖症はDSM-5(精神疾患の診断・統計マニュアル第5版)で「特定の恐怖症」に分類されている正式な病名ですが、「嘔吐恐怖症」という名称そのものが公式の診断名として単独で記載されているわけではなく、特定の恐怖症の一種として理解されています。 嘔吐恐怖症の症状 身体的症状 動悸 心拍数の増加 発汗 震え 胃の不快感 吐き気 頭痛 精神的症状 即時に生じる過剰な恐怖や不安 予期不安(不安が起きることに対する不安) 回避行動 嘔吐を予想させるような場面や状況を徹底的に避ける 電車やバスなどの公共交通機関に乗れなくなる 生ものや保存状態が不明確な食品が食べられなくなる 外食ができなくなる 「会食恐怖」へ発展し、他者と一緒に食事ができなくなる 飲食の前後や最中に強い不安を感じる つわりによる嘔吐を恐れ、妊娠を避ける(妊娠恐怖・出産恐怖) 嘔吐恐怖症に関連しやすい主な疾患 嘔吐恐怖症はDSM-5(精神疾患の診断・統計マニュアル第5版)では限局性恐怖症として紹介されています。 嘔吐恐怖症は単独でみられることもありますが、他の精神疾患と併存するケースも少なくありません。特に、不安や恐怖に関連する障害や、生活の制限による気分の落ち込みがみられることがあります。 ここでは、嘔吐恐怖症に併存しやすい主な疾患についてご紹介します。 社交不安障害 社交不安障害(社交恐怖症)は、人から注目される状況において過度の恐怖や不安を感じる精神疾患です。一般的に対人緊張、赤面症、あがり症などとして知られている症状も含まれます。 特に人前での嘔吐に対する恐怖がある場合は、社交不安障害の併発も考えられます。 社交不安障害について パニック障害・広場恐怖症 パニック障害は、場所や時間に関係なく強い恐怖・不安・苦痛が突然生じ、この発作の最中には動悸やめまい・息苦しさなどの身体症状が伴います。複数の身体的・精神的症状が同時に現れるのが特徴です。 広場恐怖症は、「逃げ場がない」「助けが得られない」と感じる特定の場所や状況で強い恐怖や不安を感じたり、その場所や状況を回避しようとすることで日常生活に支障をきたす疾患で、パニック障害との併発が多く見られます。 吐くことへの強い不安がパニック発作の引き金になることがあり、結果として嘔吐恐怖と連動します。 パニック障害について 強迫性障害 強迫性障害は、強い不安を打ち消すために特定の考え(強迫観念)や行動(強迫行為)を繰り返してしまう精神疾患です。本人は不合理と自覚していても、それをやめることが困難です。 嘔吐に対する強い恐怖から、「菌を避けるための手洗い」や「食べ物の極端な選別」などが強迫的に繰り返されることがあります。 強迫性障害について 気分障害 嘔吐恐怖症は、不安障害の一種として分類されますが、気分障害(特にうつ病や双極性障害)と併存することも少なくありません。気分障害による抑うつ状態や身体感覚への過敏さが、嘔吐への恐怖を強めることが報告されています。 嘔吐恐怖症の治療 薬物療法 特に、社交不安障害やパニック障害、PTSDの治療では抗うつ薬が多く使用されます。 抗うつ薬 抗うつ薬は、脳内の神経伝達物質(セロトニン、ノルアドレナリン、ドーパミン)を増加・調節するお薬で、抑うつ気分、意欲低下、興味の喪失などの改善に効果があります。 SSRI(選択的セロトニン再取り込み阻害薬)・SNRI(セロトニン・ノルアドレナリン再取り込み阻害薬)・NaSSA(ノルアドレナリン作動性・特異的セロトニン作動薬)・三環系・四環系などの種類があり、症状に応じて処方が決まります。 抗うつ薬は依存性や耐性は極めて低く、長期的な治療にも適しています。うつ病だけでなく、不安障害など幅広い精神疾患の治療にも用いられます。ただし、副作用には個人差があり、吐き気や眠気、性機能の低下などがみられることもあります。 嘔吐恐怖症に対してSSRIやSNRIを中心とした抗うつ薬が用いられることもありますが、特に不安が強く日常生活に支障がある場合や、他の不安障害を併発しているケースで効果が期待されます。単独の恐怖症に対しては、認知行動療法などの心理的アプローチが第一選択とされています。 抗不安薬 抗不安薬は、不安や緊張を和らげるお薬です。催眠、筋弛緩などの作用も持ち、震えなどの身体的症状にも効果があります。また、作用時間によって短時間型〜超長時間型の分類があります。これらの作用の種類・時間・強さによって適切なお薬が処方されます。 ただし、抗不安薬は依存性や耐性のリスクがあるため、他のお薬や非薬物療法と併用して一時的に症状を和らげる目的で使われる傾向にあります。 嘔吐恐怖症の治療では、主に急性期の不安緩和や、心理療法への導入をスムーズにする補助的役割として位置付けられます。 非薬物療法 嘔吐恐怖症の治療には認知行動療法が有効です。 認知行動療法(CBT)とは、認知(物事の考え方や受け取り方)の偏りを見直し、問題解決を手助けすることによって精神疾患を治療するための方法です。 パニック障害や広場恐怖症、PTSD、限局性恐怖症では認知行動療法の中でも曝露療法が選択されます。 医師や心理士が患者さんに対して、嘔吐と関連する状況に自分が身を置いている様子を想像するように指示し、徐々に慣れていく療法です。 嘔吐恐怖症のオンライン診療 嘔吐恐怖症はオンライン診療で治療が受けられます。WeMeetでも診療に対応しています。 ただし、オフラインでの曝露療法が必要な場合は対面診療を勧められることがあります。 特に次のような方にとって選択肢の一つとなります。 ・病院でうまく話せるか不安な方・通院時間や予約を取るのが難しい方・周囲の人に通院を知られたくない方・回避行動で外出するのが怖い方 オンライン診療では基本的に保険適用で薬物療法・非薬物療法両方での治療が可能です。詳細はクリニックに確認しましょう。 ※ オンライン診療では初診から麻薬や向精神薬(抗不安薬・抗うつ薬・睡眠薬の一部など)を処方することはできません。 ※ 次の場合は対面診療をお勧めする場合があります。 ・自傷・他害のおそれが強くある場合・身体疾患が強く出ている場合・重度の症状の場合 オンライン診療について オンライン診療とは? スマートフォンやタブレット、パソコンなどを使って、自宅等にいながら医師の診察や薬の処方を受けることができる診療です(厚生労働省)。 オンラインだと診療の質が落ちるのでは? 実は、約9割の医師が、オンライン診療を取り入れることによって、患者に提供する医療全体の質は「良くなる」「どちらかといえば良くなる」「変わらない」と回答しています。 株式会社メドレー「オンライン診療の実態調査」より オンライン診療ならWeMeetがおすすめ! WeMeetの特徴 ① えらべる診療医師によるオンライン/対面診療の他、心理士によるオンラインカウンセリングがございます。体調や状況に合わせて選択していただけます。 ② ムリなく継続1分で簡単にWEB予約ができるので、24時間いつでもご予約・日程変更が可能です。お財布にやさしい保険診療で、無理なく継続できます。 WeMeetでのオンライン診療の流れ WeMeetでのオンライン診療の流れをご説明します。 日程を選びネットで予約 問診票の記入 医師によるオンライン診療 クレジットカードで簡単決済 お薬の受け取り(最短翌日) \アプリDL不要・1分で予約/ ウィーミートで保険診療を予約する 本記事のまとめ 嘔吐恐怖症は「吐くことが怖い」という感覚を超え、日常生活の多くの場面に影響を及ぼす恐怖症です。食事制限や外出の回避、社交場面からの引きこもりなど、生活の質を著しく低下させる症状が特徴です。原因はパニック障害、社交不安障害などの他の精神疾患との関連もあり、個人によって症状の現れ方は異なります。 治療においては、抗不安薬や抗うつ薬による薬物療法と、曝露療法や認知行動療法などの心理療法が効果的な傾向にあります。治療によって、恐怖や不安をコントロールしながら、日常生活への支障を徐々に減らすことが可能です。症状でお悩みの方は、ぜひ医師への相談を検討してみてください。本記事が少しでも皆さまのお役に立てれば幸いです。 アプリのDL不要 1分で予約 夜間診察あり 診療(ビデオ通話)、お薬の服薬指導と受取が お財布に優しい保険診療で受けられます。LINE登録はこちら ウィーミート院長ベトリッジ クリス先生精神科医 心療内科・精神科のコラム