ストレスと身体症状(吐き気・腹痛・頭痛)【朝の吐き気はストレスが原因?】 ウィーミート院長ベトリッジ クリス先生精神科医 更新日 2025/05/23 本記事では、ストレスと身体症状(吐き気・腹痛・頭痛)について、症状の特徴や関連疾患、自律神経との関係、自分でできるストレス管理法や医療機関を受診すべきかの基準を解説します。最後に、オンライン診療WeMeetのご案内をします。 目次ストレスと身体症状ストレスによる身体症状の原因ストレスと身体症状に関連する病気ストレスと身体症状が見られる時の対処法オンライン診療について ストレスと身体症状 ストレスによる身体症状が出やすいタイミング 特にストレスを感じるタイミングに症状が見られる場合は、ストレスによる身体症状の可能性が考えられます。 ストレスによる身体症状が出やすい人 ストレスによる身体症状は、自分の感情をうまく表現できない、自覚できない方に多く見られます。これは、感情に代わって身体がストレスへの反応を表現しているためです。 ストレスと吐き気 ストレスによって自律神経が乱れ、あるいはバソプレシンというホルモンが増えることで、吐き気が生じることがあります。 特に朝起きた時や緊張する場面で強い症状が多く見られます。 ストレスと腹痛 ストレスによって自律神経が乱れ、腹痛が生じることがあります。 下痢と便秘を繰り返すことが多く、食事との関連が必ずしもありません。また、ストレスを感じる場面で多く生じ、睡眠時には出現しづらいことも特徴として挙げられます。 ストレスと頭痛 ストレスによって自律神経が乱れ、頭痛が生じることがあります。また、首や肩のこりを伴うことが多く、夕方から夜にかけて悪化しやすい特徴があります。 ストレスとその他の身体症状 その他にも、以下のような身体症状がストレスによって引き起こされる可能性があります。 動悸 ほてり 発汗 めまい 手足のしびれ 肩こり 筋肉痛 まぶたの痙攣 喉の痛み 機能性ディスペプシアとは 機能性ディスペプシアは、身体科的検査で明らかな異常がないにも関わらず、吐き気や腹痛などを認める疾患です。 ストレスによる身体症状の原因 自律神経とは 自律神経とは、循環、呼吸、体温調節、消化、分泌などの活動を支配するシステムで、無意識に(自律的に)働き続けていることが特徴です。 自律神経には交感神経と副交感神経の2種類があります。交感神経はアクセル、副交感神経はブレーキのような役割を果たします。 例えば、寒い時には交感神経が強く働きますが、暑くなってくると副交感神経が強く(優位に)なります。自律神経は、このやりとり(フィードバック)を通じて身体のバランスを保っています。 ストレスによって自律神経のバランスが崩れると ストレスを受けると交感神経が過剰に反応し、副交感神経の働きが抑制されます。 自律神経は先述の通り循環、呼吸、体温調節、消化、分泌などを担っており、身体中のあらゆる臓器とつながっており、ストレスを受けて自律神経のバランスが崩れることが原因でさまざまな身体症状(臓器の異常)が生じます。 これを自律神経失調症と呼び、ストレスによる吐き気、腹痛、頭痛も自律神経失調症の一つと考えることができます。 ストレスと身体症状に関連する病気 胃炎・胃潰瘍・逆流性食道炎 胃炎は胃の粘膜に炎症が生じる疾患で、主な症状として、胃の痛みや不快感、吐き気、食欲不振などが見られます。 胃潰瘍は胃炎がさらに進行した状態で、胃の粘膜だけでなく、その下の組織まで損傷が及んだ状態です。より強い痛みや出血を引き起こすことがあります。 逆流性食道炎は、胃の内容物や胃酸が食道へ逆流することで食道粘膜に炎症が起きる疾患で、胸やけや喉の違和感、咳などの症状を特徴とします。 ストレスによって自律神経のバランスが乱れると、胃酸の分泌量やそのタイミングが変化し、これらの疾患を引き起こす要因になります。 ストレスが原因の場合の治療で、抗うつ薬などが処方されることがあります。 過敏性腸症候群(IBS) 過敏性腸症候群(IBS)は、腹痛や腹部不快感に加えて、下痢や便秘を特徴とする疾患です。症状の程度は人によって異なり、軽度から日常生活に大きく支障をきたすほどの重度まで様々です。 過敏性腸症候群の大きな原因としてストレスが挙げられます。ストレスによって自律神経が乱れ、腸が動いたり止まったりすることで異常が生じると考えられています。さらに、この動きが繰り返されることで腸に知覚過敏が生じ、少しの刺激でも腸が反応してしまうことが特徴です。 ストレスが原因の場合の治療で、抗うつ薬などが処方されることがあります。 緊張性頭痛・片頭痛 緊張型頭痛は後頭部を中心にじわじわと締め付けられる痛み、片頭痛は頭の片側または両側にズキズキと拍動するような痛みを生じるのが特徴の頭痛です。 緊張性頭痛の原因の一つにストレスが挙げられます。 また、片頭痛も「ストレスによって一時的に血管が収縮することが原因」「ストレスから解放された後に血管が拡張することが原因」など、ストレスと関連する疾患であると考えられます。 不安障害(不安症) 不安障害(不安症)とは、過剰な恐怖や不安によって精神的・身体的な症状が現れたり、行動や日常生活に支障が生じたりする疾患です。 不安障害の症状として吐き気、腹痛、頭痛などが見られることがあります。 また、緊張型頭痛や片頭痛をもつ方は、うつ病や不安障害などの精神疾患を合併しやすいと言われています。 うつ病 うつ病は、ストレスなどによって脳内の神経伝達物質であるセロトニンやノルアドレナリンが減ることで、気分の落ち込み、無気力、食欲の減退、不眠などを引き起こす精神疾患です。 気分の落ち込みややる気の低下、不眠・食欲不振などの症状が見られる方はうつ病の可能性が考えられます。うつ病の症状には、吐き気、腹痛、頭痛が見られることがあります。 適応障害 適応障害は、ある特定の状況や出来事がストレスとなり、気分の落ち込み、やる気の低下、不眠などの症状が生じて日常生活に支障をきたしている状態を指します。 「ある特定の状況や出来事」は仕事・転勤・配置転換・就職・退職・恋愛・結婚・離婚・家庭・人間関係・学校・進学・病気・引っ越しなど人によって様々です。 うつ病と近い症状が見られるとき、ストレスの原因が直近で明確に存在する場合は適応障害の可能性が考えられます。 自律神経失調症 自律神経失調症は、自律神経の不調により引き起こされる身体的症状・精神的症状の通称です。他の疾患のどれにも当てはまらないものの、症状が見られる場合は自律神経失調症の可能性が考えられます。 ストレスによる身体症状が見られる時の対処法 思い切ってしっかり休む・寝る 抑うつ状態や睡眠の問題に効果的なのが休むことです。 ストレスの原因が仕事や学校の場合は、会社・学校を休んでしっかりと寝てみることも選択肢です。1日〜数日間の休息で症状が改善することが多く見られます。 朝の吐き気など、ストレスの原因がわかる場合に特に効果的です。 ただし、休んでいる期間に症状が悪化したり、改善が見られない場合は医療機関の受診を検討してください。 生活習慣(食事・睡眠・運動習慣)を整える 規則正しい生活は自律神経・ホルモン分泌のバランスを整えます。なるべく決まった時間に食事を摂り、睡眠不足や夜更かしをできる限りやめるよう心がけましょう。 また、軽い運動を取り入れることはホルモン分泌や睡眠の観点から重要です。 気持ちの整理・ストレスの管理 症状の原因となっているストレスの原因が考えられる場合は、ストレスを減らすことを考えましょう。 自分の考えや気持ちを紙に書き出して整理することも一つの手段です。整理する中でストレスの原因が思い当たるかもしれません。 呼吸法を実践する 不安が身体症状の原因となっている場合、呼吸法は不安の軽減に有効です。 まず呼吸筋をほぐすためのストレッチを行い、ゆっくりと息を吐く練習をすることで、不安を和らげることができます。 国立精神・神経医療研究センターによる解説動画を参考にしながら、ストレッチを1日1回、呼吸法を1回5分、1日3セット行う習慣をつけましょう。 リラックスする 自然を眺める、落ち着く音楽を聴く、良い香りをかぐ、マッサージを受ける、お気に入りの飲み物を味わうなど、自分の好きな方法でリラックスするのも効果的です。 仕事の取り組み方を変える 自分で気づいてなくても、ストレスの原因が仕事にあることは少なくありません。 時間の使い方を変えたり、可能な範囲でペースを緩めたり、人間関係を変えたりとできることから始めましょう。 場合によっては異動や転職を検討することも選択肢の一つです。 環境を変える ストレスの原因が明確であり、自分の努力で改善することが難しい場合は環境を変えることも選択肢の一つです。 具体的には、部署の異動申請、転職、転校、転居などです。 医療機関を受診する 身体症状が見られる場合で、以下の場合は心療内科を受診しましょう。 上にご紹介した精神疾患の症状が見られる場合 精神的な症状(気分の落ち込みなど)が見られる場合 ストレスが明確な場合 ※ 精神的な症状やストレスが見られない場合は内科で問題ありません。 心療内科・精神科の初診について【流れ・話すこと・聞かれることを解説】 オンライン診療について オンライン診療とは? スマートフォンやタブレット、パソコンなどを使って、自宅等にいながら医師の診察や薬の処方を受けることができる診療です(厚生労働省)。 オンラインだと診療の質が落ちるのでは? 実は、約9割の医師が、オンライン診療を取り入れることによって、患者に提供する医療全体の質は「良くなる」「どちらかといえば良くなる」「変わらない」と回答しています。 株式会社メドレー「オンライン診療の実態調査」より オンライン診療ならWeMeetがおすすめ! WeMeetの特徴 ① えらべる診療医師によるオンライン/対面診療の他、心理士によるオンラインカウンセリングがございます。体調や状況に合わせて選択していただけます。 ② ムリなく継続1分で簡単にWEB予約ができるので、24時間いつでもご予約・日程変更が可能です。お財布にやさしい保険診療で、無理なく継続できます。 WeMeetでのオンライン診療の流れ WeMeetでのオンライン診療の流れをご説明します。 日程を選びネットで予約 問診票の記入 医師によるオンライン診療 クレジットカードで簡単決済 お薬の受け取り(最短翌日) \アプリDL不要・1分で予約/ ウィーミートで保険診療を予約する 本記事のまとめ ストレスは様々な身体症状を引き起こす原因となります。特に吐き気、腹痛、頭痛といった症状は、自律神経のバランスが崩れることで生じることが多く、胃炎や過敏性腸症候群、緊張型頭痛などの疾患と関連していることもあります。また、不安障害やうつ病、適応障害といった精神疾患の症状として現れることもあります。 ストレスによる身体症状に対処するためには、十分な休息を取る、生活習慣を整える、ストレスの原因を特定し管理する、呼吸法などでリラックスするといった方法が効果的です。症状が長引く場合や日常生活に支障が出る場合は、心療内科などの医療機関を受診することをお勧めします。 WeMeetのようなオンライン診療サービスを利用すれば、自宅にいながら医師の診察を受けることができ、継続的な治療も無理なく行えます。ストレスによる身体症状は適切な対処で改善できることが多いので、ぜひ治療への第一歩を踏み出しましょう。 アプリのDL不要 1分で予約 夜間診察あり 診療(ビデオ通話)、お薬の服薬指導と受取が お財布に優しい保険診療で受けられます。LINE登録はこちら ウィーミート院長ベトリッジ クリス先生精神科医 心療内科・精神科のコラム