幻聴に悩まされる【原因・病気・対処法】 ウィーミート院長ベトリッジ クリス先生精神科医 更新日 2025/05/27 本記事では、幻覚の中でも幻聴について、その特徴、考えられる原因や病気、医療機関を受診すべきかの基準、自分でできる対策について解説します。最後に、オンライン診療WeMeetのご案内をします。 目次幻聴の特徴幻聴の原因幻聴が起こった時に考えられる疾患幻聴が起こった時の対処法幻聴の治療法オンライン診療について 幻聴の特徴 幻聴とは 幻聴とは、実際には存在しない音や声が聞こえる症状です。 幻聴は幻覚の一種 幻聴は幻覚の一種です。 幻覚は、実際にはない刺激を実在するかのように知覚することを指します。 幻聴の具体的な症状(自覚症状) 具体的な自覚症状として、以下が挙げられます。 聞こえるはずのない声が聞こえる さまざまな物音や音楽などが聞こえる 自分の悪口が聞こえる 命令する声が聞こえる 言い返すと返事が返ってくる 幻聴の具体的な症状(周囲の視点から) 周囲から見た具体的な症状として、以下が挙げられます。 一人でぶつぶつと話している 誰もいない空間に向かって話しかけている 誰もいない空間に向かって行動している(お茶を出すなど) 幻聴の種類 言語性幻聴 自分の悪口や自分に話しかける声など、言葉による幻聴 複雑性幻聴 音楽など複雑なメロディーの幻聴 要素性幻聴 単一の要素としての音が聞こえる幻聴 幻聴の原因 強いストレス 転勤・入学・引っ越し・入籍などのイベント、人間関係、仕事・勉強・生活リズムの変化などによって生じたストレスが幻聴の原因となることがあります。 また、過労・多忙や睡眠不足による慢性的なストレスが一時的に幻聴として現れることもあります。 トラウマ体験のフラッシュバック 過去に経験した強い衝撃の出来事(トラウマ体験)が鮮明によみがえるフラッシュバックの一部として、声が聞こえるような体験(幻聴)を伴うことがあります。 ストレスによってフラッシュバックが強まることもあります。 薬物 覚醒剤や大麻などの薬物の乱用が、中毒症状として幻聴を引き起こすことがあります。 精神的・身体的な病気 特定の疾患が原因となり症状が生じている可能性があります。次に、考えられる疾患について解説します。 幻聴が起こった時に考えられる疾患 統合失調症 統合失調症は、考えや感情を整理し、現実を認識する機能に異常が生じる精神疾患です。現実と認識の間に歪みが生じて、幻覚や妄想、意欲の喪失、認知機能障害などの症状が生じます。 幻聴に悩まされている場合、まず疑われる疾患の一つに統合失調症があります。 統合失調症の場合、本人に自覚があることは少ないですが、妄想(言われていないのに言われていると訴える)、感情鈍麻(感情表現や他人への共感が乏しくなる)、思考のまとまりのなさなどの症状が多くみられます。 PTSD PTSD(心的外傷後ストレス障害)は、生死に関わるような強い衝撃の出来事(トラウマ体験)を経験し、自分の思いとは関係なくその体験がよみがえったり、悪夢を見たりすることなどが長期間続く病気です。 また、トラウマ体験に対する防衛反応として、回避症状、認知・気分に対する影響、覚醒度と反応性の著しい変化の症状が生じ、日常生活に支障をきたします。 PTSDでは、フラッシュバックに伴って過去の出来事に関連する声が聞こえるなど、幻聴に近い体験が生じることがあります。 双極性障害(躁うつ病) 双極性障害(躁うつ病)は、気分が高揚する「躁状態」と気分が落ち込む「うつ状態」を繰り返す疾患です。 双極性障害の重度の躁状態では、幻聴を含む精神病症状を伴うことがあります。 幻聴が起こった時の対処法 医療機関を受診する・周囲の人が(本人に)受診を勧める 幻聴が起こった場合、幻聴が聞こえる場合はできるだけ早く心療内科・精神科を受診しましょう。 幻聴の原因には多数の疾患が考えられ、中には早めに受診することが望ましいものもあります 統合失調症や躁状態は本人の自覚がなく、家族や周囲の人の援助が必要なことが多く見られます。いずれも、治療により症状の改善が見込める精神疾患のため、周囲から見て幻聴の疑いがある場合は手を差し伸べてください。 心療内科・精神科の初診について【流れ・話すこと・聞かれることを解説】 幻聴の治療法 原因となる精神疾患によって治療法が変わります。 例えば統合失調症の薬物療法では抗精神病薬によって治療にあたることが一般的です。PTSDの治療では抗うつ薬が、双極性障害の治療では気分安定薬と抗精神病薬が多く用いられます。 非薬物療法では、心理教育と認知行動療法が中心となります。 以下に治療について詳しく解説しますが、医師による正確な診断と処方が重要になります。 抗精神病薬 抗精神病薬は、統合失調症の治療薬として開発されたお薬です。神経伝達物質であるドーパミンの分泌・伝達・働きに作用します。 統合失調症では脳内のドーパミン過剰・ドーパミン不足が生じている部位系統に応じてそれぞれの症状が生じると考えられているため、症状に応じて適切な抗精神病薬を服薬することが重要になります。 また、症状が治ってからも抗精神病薬の服用を継続することで、再発の可能性を抑えることができます。継続して服薬することが重要です。 抗うつ薬 抗うつ薬は、脳内の神経伝達物質(セロトニン、ノルアドレナリン、ドーパミン)を増加・調節するお薬で、抑うつ気分、意欲低下、興味の喪失などの改善に効果があります。 SSRI(選択的セロトニン再取り込み阻害薬)・SNRI(セロトニン・ノルアドレナリン再取り込み阻害薬)・NaSSA(ノルアドレナリン作動性・特異的セロトニン作動薬)・三環系・四環系などの種類があり、症状に応じて処方が決まります。 抗うつ薬は依存性や耐性が極めて低く、長期的な治療にも適しています。うつ病だけでなく、不安障害など幅広い精神疾患の治療にも用いられます。ただし、副作用には個人差があり、吐き気や眠気、性機能の低下などがみられることもあります。 気分安定薬(炭酸リチウムなど) 双極性障害の薬物治療の基本となるお薬で、気分の安定、躁状態とうつ状態の治療や予防に効果があります。長期で継続して服用し続けることが重要です。 認知行動療法 認知(物事の考え方や受け取り方)の偏りを見直し、問題解決を手助けする手法(認知行動療法)が取られることもあります。 オンライン診療について オンライン診療とは? スマートフォンやタブレット、パソコンなどを使って、自宅等にいながら医師の診察や薬の処方を受けることができる診療です(厚生労働省)。 オンラインだと診療の質が落ちるのでは? 実は、約9割の医師が、オンライン診療を取り入れることによって、患者に提供する医療全体の質は「良くなる」「どちらかといえば良くなる」「変わらない」と回答しています。 株式会社メドレー「オンライン診療の実態調査」より オンライン診療ならWeMeetがおすすめ! WeMeetの特徴 ① えらべる診療医師によるオンライン/対面診療の他、心理士によるオンラインカウンセリングがございます。体調や状況に合わせて選択していただけます。 ② ムリなく継続1分で簡単にWEB予約ができるので、24時間いつでもご予約・日程変更が可能です。お財布にやさしい保険診療で、無理なく継続できます。 WeMeetでのオンライン診療の流れ WeMeetでのオンライン診療の流れをご説明します。 日程を選びネットで予約 問診票の記入 医師によるオンライン診療 クレジットカードで簡単決済 お薬の受け取り(最短翌日) \アプリDL不要・1分で予約/ ウィーミートで保険診療を予約する 本記事のまとめ 幻聴は実際には存在しない音や声を知覚する症状であり、統合失調症やPTSD、双極性障害、認知症など様々な精神疾患の可能性が考えられます。これらの症状が現れた場合は、早期に心療内科や精神科を受診することが重要です。本人に自覚がない場合も多いため、周囲の人のサポートが必要になることもあります。 治療法としては、原因となる疾患に応じて抗精神病薬や抗うつ薬、気分安定薬などの薬物療法が行われるほか、認知行動療法などの非薬物療法も効果的です。 継続的な治療が再発予防に繋がるため、通院のしやすさも重要になります。WeMeetのようなオンライン診療サービスを活用することで、自宅にいながら医師の診察を受けることができ、治療の継続性を高めることができます。 アプリのDL不要 1分で予約 夜間診察あり 診療(ビデオ通話)、お薬の服薬指導と受取が お財布に優しい保険診療で受けられます。LINE登録はこちら ウィーミート院長ベトリッジ クリス先生精神科医 心療内科・精神科のコラム