気分・気持ちが落ち込む(抑うつ気分)【原因・病気・対処法】 ウィーミート院長ベトリッジ クリス先生精神科医 更新日 2025/05/23 本記事では、気分・気持ちの落ち込みで見られる症状、特徴、考えられる原因や病気、医療機関を受診すべきかの基準、自分でできる対策について解説します。最後に、オンライン診療WeMeetのご案内をします。 目次気分・気持ちの落ち込みで見られる症状気分・気持ちの落ち込みの原因気分・気持ちが落ち込む時に考えられる精神疾患気分・気持ちが落ち込む時の対処法オンライン診療について 気分・気持ちの落ち込みで見られる症状 気持ちの落ち込みは医学的には「抑うつ状態」と呼ばれます。具体的には、以下のような症状が挙げられます。 気分の落ち込み 些細なことで落ち込みやすくなる 小さな失敗を過度に深刻に受け止めてしまう 落ち込みやイライラした気持ちを切り替えられない 毎日泣いてばかりいる状態が続く 将来に希望が持てなくなる 意欲低下 何をしても楽しいと感じられなくなる 人と話すのが面倒に感じ、一人でいたいと思う 日常の活動(学校や仕事に行くなど)がつらく感じられる 集中力低下 集中力が低下する 不安 頭の中で同じことをぐるぐると長時間考え続ける 気持ちがそわそわして落ち着かない 自責感 「自分はダメだ」という否定的な考えが増える 自分を責める気持ちが強くなる 希死念慮 「消えてしまいたい」といった考えが浮かぶ 気分・気持ちの落ち込みの原因 疲れ・睡眠不足 疲れや睡眠不足は気分の低下を引き起こします。 ストレス・ホルモンバランスの異常 転勤・入学・引っ越し・入籍などのイベント、人間関係、仕事・勉強・生活リズムの変化などによって生じたストレスが気分の低下の原因となることがあります。 特に、過労状態が続くと、疲労や睡眠不足と相互に影響し合い、気分の落ち込みを引き起こしやすくなることが知られています。 また、女性の場合、月経や出産などによって女性ホルモンのバランスが乱れると、気分の落ち込みが見られることがあります。 病気 特定の疾患が原因となり症状が生じている可能性があります。次に、考えられる疾患について解説します。 気分・気持ちが落ち込む時に考えられる精神疾患 気分の落ち込みは病気ではなく、一時的には誰もが経験しうる状態です。しかし、症状が長期間(数ヶ月以上)続く場合や特定の症状が見られる場合、苦痛が強い場合などは精神疾患の可能性を考えてよいでしょう。 うつ病 うつ病は、ストレスなどによって脳内の神経伝達物質であるセロトニンやノルアドレナリンが減ることで、気分の落ち込み、無気力、食欲の減退、不眠などを引き起こす精神疾患です。 精神的な症状以外に、不眠・食欲不振などの症状が見られる場合はうつ病の可能性が考えられます。 適応障害 適応障害は、ある特定の状況や出来事がストレスとなり、気分の落ち込み、やる気の低下、不眠などの症状が生じて日常生活に支障をきたしている状態を指します。 「ある特定の状況や出来事」は仕事・転勤・配置転換・就職・退職・恋愛・結婚・離婚・家庭・人間関係・学校・進学・病気・引っ越しなど人によって様々です。 うつ病と近い症状が見られるとき、ストレスの原因が直近で明確に存在する場合は適応障害の可能性が考えられます。 双極性障害(躁うつ病) 双極性障害(躁うつ病)は、気分が高揚する「躁状態」と気分が落ち込む「うつ状態」を繰り返す疾患です。ただし、躁状態でもうつ状態でもない通常の状態もあります。また、躁状態とうつ状態が混在している状態もあります。 双極性障害のうつ状態で、気分の落ち込みが見られます。 多くの患者さんは躁状態の自覚がなくうつ状態で症状を認識するため、うつ病と双極性障害を混同したり、自分がうつ病であると考えることがあります。しかし、この2つは治療法も異なるため明確な区別が必要です。 なお、うつ病と双極性障害などを総称して「気分障害」と呼びます。 不安障害(不安症) 不安障害(不安症)とは、過剰な恐怖や不安によって精神的・身体的な症状が現れたり、行動や日常生活に支障が生じたりする疾患です。 「気分の落ち込み」と捉えている症状が、実は「将来に対する不安による気分の低下」であることがあります。例えば、社交不安障害は、「他人にどう思われるか?」「どう思われたか?」に対する不安が日常に支障をきたしている状態を指し、気分の低下と考えられている以下の症状を引き起こすことがあります。 気分の落ち込みの背景に不安障害があることがあります。例えば社交不安障害は、「他人にどう思われるか?」「どう思われたか?」に対する不安が日常に支障をきたしている状態を指し、以下のような抑うつ症状を引き起こすことがあります 抑うつ気分 意欲低下 集中力低下 自責感 不眠 食欲低下 PMS(月経前症候群)・PMDD(月経前不快気分障害) PMS(月経前症候群)とは、月経の3〜10日前に現れる身体的症状や精神的症状のことです。月経が始まると自然に軽くなったり、なくなったりします。頭痛、倦怠感、イライラ、抑うつ、不安、集中力の低下などの症状を伴います。 PMDD(月経前不快気分障害)は、PMSの中でも特に精神的な症状が重度な状態のことです。 女性の方で月経前の期間に気分の落ち込みの症状が見られる場合は、PMSやPMDDの可能性も考えられます。 自律神経失調症 自律神経失調症は、自律神経の不調により引き起こされる身体的症状・精神的症状の通称です。上のどれにも当てはまらないものの、症状が見られる場合は自律神経失調症の可能性が考えられます。 気分・気持ちが落ち込む時の対処法 思い切ってしっかり休む・寝る 気分の落ち込みに効果的なのが休むことです。 ストレスの原因が仕事や学校の場合は、会社・学校を休んでしっかりと寝てみることも選択肢です。1日〜数日間の休息で症状が改善することが多いです。 ただし、休んでいる期間に症状が悪化したり、改善が見られない場合は医療機関の受診を検討してください。 生活習慣(食事・睡眠・運動習慣)を整える 規則正しい生活は自律神経・ホルモン分泌のバランスを整えます。なるべく決まった時間に食事を摂り、睡眠不足や夜更かしをできる限りやめるよう心がけましょう。 また、軽い運動を取り入れることはホルモン分泌や睡眠の観点から重要です。 誰かと話す・周りの人に相談する 家族、友人、上司など信頼できる人に症状について無理のない範囲で相談してみましょう。 症状や悩みのことを話すのは難しくても、人と話すだけでも症状が改善することがあります。 気持ちの整理・ストレスの管理 症状の原因となっているストレスの原因が考えられる場合は、ストレスを減らすことを考えましょう。 自分の考えや気持ちを紙に書き出して整理することも一つの手段です。整理する中でストレスの原因が思い当たるかもしれません。 リラックスする 自然を眺める、落ち着く音楽を聴く、良い香りをかぐ、マッサージを受ける、お気に入りの飲み物を味わうなど、自分の好きな方法でリラックスするのも効果的です。 仕事の取り組み方を変える 自分で気づいてなくても、ストレスの原因が仕事にあることは少なくありません。 時間の使い方を変えたり、可能な範囲でペースを緩めたり、人間関係を変えたりとできることから始めましょう。 場合によっては異動や転職を検討することも選択肢の一つです。 環境を変える ストレスの原因が明確であり、自分の努力で改善することが難しい場合は環境を変えることも選択肢の一つです。 具体的には、部署の異動申請、転職、転校、転居などです。 医療機関を受診する それでも状況が変わらない場合や、症状が日常生活に支障をきたしている場合は心療内科・精神科の受診を検討しましょう。 特にうつ病の症状が見られる場合は、自分にできる対策だけではなく受診をすることが重要です。 心療内科・精神科の初診について【流れ・話すこと・聞かれることを解説】 オンライン診療について オンライン診療とは? スマートフォンやタブレット、パソコンなどを使って、自宅等にいながら医師の診察や薬の処方を受けることができる診療です(厚生労働省)。 オンラインだと診療の質が落ちるのでは? 実は、約9割の医師が、オンライン診療を取り入れることによって、患者に提供する医療全体の質は「良くなる」「どちらかといえば良くなる」「変わらない」と回答しています。 株式会社メドレー「オンライン診療の実態調査」より オンライン診療ならWeMeetがおすすめ! WeMeetの特徴 ① えらべる診療医師によるオンライン/対面診療の他、心理士によるオンラインカウンセリングがございます。体調や状況に合わせて選択していただけます。 ② ムリなく継続1分で簡単にWEB予約ができるので、24時間いつでもご予約・日程変更が可能です。お財布にやさしい保険診療で、無理なく継続できます。 WeMeetでのオンライン診療の流れ WeMeetでのオンライン診療の流れをご説明します。 日程を選びネットで予約 問診票の記入 医師によるオンライン診療 クレジットカードで簡単決済 お薬の受け取り(最短翌日) \アプリDL不要・1分で予約/ ウィーミートで保険診療を予約する 本記事のまとめ 気分・気持ちの落ち込みは誰もが経験する自然な感情ですが、症状が長期間続いたり日常生活に支障をきたしたりする場合は、うつ病や適応障害などの精神疾患の可能性があります。 対処法としては、十分な休息を取る、規則正しい生活習慣を心がける、信頼できる人に相談する、ストレスの原因を特定し管理することなどが効果的です。 自分でできる対策を試しても症状が改善しない場合や、うつ病の症状が強く見られる場合は、心療内科や精神科の受診を検討しましょう。WeMeetのようなオンライン診療サービスを利用すれば、自宅にいながら医師の診察を受けることができ、症状の早期改善につながる可能性があります。 アプリのDL不要 1分で予約 夜間診察あり 診療(ビデオ通話)、お薬の服薬指導と受取が お財布に優しい保険診療で受けられます。LINE登録はこちら ウィーミート院長ベトリッジ クリス先生精神科医 心療内科・精神科のコラム