対人恐怖症とは?症状・治療・社交不安障害との違いについて解説 ウィーミート院長ベトリッジ クリス先生精神科医 更新日 2025/05/18 本記事では、人との交流に強い不安を感じる方に向けて、対人恐怖症の症状や原因、社交不安障害との違いを詳しく解説し、治療法やオンライン診療という選択肢、オンライン診療サービスWeMeetについてもご紹介します。 目次対人恐怖症とは社交不安障害と対人恐怖症対人恐怖症の原因・考えられる精神疾患対人恐怖症の治療対人恐怖症のオンライン診療オンライン診療について 対人恐怖症とは 対人恐怖症とは、人との交流に対して強い恐怖や不安を感じる症状を指します。 対人恐怖症は正式な病名ではありません。現代の精神医学診断基準(DSM-5やICD-11)では、対人恐怖症に類似した症状は主に社交不安障害に当てはまります。 社交不安障害と対人恐怖症 社交不安障害とは 社交不安障害(社交恐怖・社会恐怖・社会不安障害・SAD)は不安障害の一種で、人から注目される状況において過度の恐怖や不安を感じる精神疾患です。一般的に対人緊張、赤面症、あがり症などとして知られている症状も含まれます。 また、不安を感じる状況を積極的に避ける回避行動が見られることもあります。 https://wemeet.co.jp/blog/3061 社交不安障害(社交不安症)と対人恐怖症の違い 対人恐怖症はほとんどの場合で社交不安障害と同義で使われます。 これは、国際的な診断名である「社交不安障害」が浸透する前に、日本で長く「対人恐怖症」という概念が使われてきたことが背景にあります。 ただし、対人恐怖症には「相手に不快感を与えている」という外向きな他害意識が含まれることがあります。例えば、自己臭恐怖、自己視線恐怖など「自分が他者に不快感を与えている」という妄想性をもつ場合です。一方で、社交不安障害は「人からの注目」に対する不安を指します。 対人恐怖症の原因・考えられる精神疾患 上のような背景から、広義の「対人恐怖症」では社交不安障害だけでなく、その他の精神疾患の可能性が考えられます。 社交不安障害 先にも説明した通り、対人恐怖ではまず社交不安障害の可能性が考えられます。 {link} ASD ASD(自閉スペクトラム症)とは、対人関係やコミュニケーションの障害、強いこだわり、感覚の過敏さなどの特徴を持つ発達障害の一つです。 原因は明らかではありませんが、生まれつきの脳の働き方の違いによるものとされています。 ASDの特性によって対人関係に不安が生じ、対人恐怖症につながる可能性も考えられます。 適応障害 適応障害は、ある特定の状況や出来事がストレスとなり、気分の落ち込み、やる気の低下、不眠などの症状が生じて日常生活に支障をきたしている状態を指します。 「ある特定の状況や出来事」は仕事・転勤・配置転換・就職・退職・恋愛・結婚・離婚・家庭・人間関係・学校・進学・病気・引っ越しなど人によって様々です。 例えば適応障害で職場の人間関係がストレスになっている場合、ストレスが対人恐怖として認識されることもあります。 うつ病 うつ病は、脳内の神経伝達物質であるセロトニンやノルアドレナリンが減ることで、気分の落ち込み、無気力、食欲の減退、不眠などを引き起こす精神疾患です。 セロトニンの分泌が減ることでメラトニンとセロトニンの分泌バランスが崩れ、不眠・起床困難・朝の絶望感が生じます。 うつ病によって対人恐怖症が生じる可能性が指摘されます。 統合失調症 統合失調症は、考えや感情をまとめる機能に異常が生じる精神疾患です。現実と認識の間に歪みが生じて、幻覚や妄想、意欲の喪失、認知機能の低下などの症状が生じます。 統合失調症による妄想などの症状が、対人恐怖として捉えられることがあります。 対人恐怖症の治療 病院に行く基準 内気で人との交流が苦手なだけでは対人恐怖症とは言えません。 上に紹介した各症状が現れ、日常生活に支障をきたしている場合には精神疾患の可能性があります。 対人恐怖症で考えられる精神疾患は放置すると悪化する可能性、その他の精神疾患を併発する可能性が高くなると言われているため、症状が現れている場合は早期受診が重要です。 心療内科・精神科の初診について【流れ・話すこと・聞かれることを解説】 薬物療法 疾患の内容によって処方するお薬が異なります。例えば社交不安障害の薬物療法では、抗うつ剤の処方が第一選択となります。 抗うつ剤は、脳内の神経伝達物質(セロトニン、ノルアドレナリン、ドーパミン)を増加・調節するお薬で、抑うつ気分、意欲低下、興味の喪失などの改善に効果があります。 SSRI(選択的セロトニン再取り込み阻害薬)・SNRI(セロトニン・ノルアドレナリン再取り込み阻害薬)・NaSSA(ノルアドレナリン作動性・特異的セロトニン作動薬)・三環系・四環系などの種類があり、症状に応じて処方が決まります。 抗うつ剤は抗不安薬などに比べると副作用が非常に弱いことが特徴です。耐性・依存性の問題も低いため、うつ病だけでなく不安に関する様々な精神疾患の治療に使われています。 社交不安障害の治療では、SSRI・SNRIを中心とした抗うつ剤による治療が有効です。 その他の疾患でも、適切なお薬が医師により処方されます。詳細は各疾患のページをご覧ください。 非薬物療法 例えば社交不安障害では、認知行動療法が有効です。 認知行動療法(CBT)とは、認知(物事の考え方や受け取り方)の偏りを見直し、問題解決を手助けする方法です。 例えば、不安の原因となっている「失敗したらみんなに笑われるんじゃないか」などの認知を、より現実的な考えや判断ができるように修正していくことが挙げられます。 その他の疾患では、適切な精神療法などが医師により採用されます。詳細は各疾患のページをご覧ください。 対人恐怖症のオンライン診療 対人恐怖症はオンライン診療で治療が可能です。WeMeetでも症状に対応しています。 特に次のような方にとって選択肢の一つとなります。 ・病院でうまく話せるか不安な方・通院時間や予約を取るのが難しい方・周囲の人に通院を知られたくない方・回避行動で外出するのが怖い方 オンライン診療では基本的に保険適用で薬物療法・非薬物療法両方での治療が可能です。詳細はクリニックに確認しましょう。 ※ オンライン診療では初診から麻薬や向精神薬(抗不安薬・抗うつ剤・睡眠薬の一部など)を処方することはできません。 ※ 次の場合は対面診療をお勧めする場合があります。 ・自傷・他害のおそれが強くある場合・身体疾患が強く出ている場合・重度の症状の場合 オンライン診療について オンライン診療とは? スマートフォンやタブレット、パソコンなどを使って、自宅等にいながら医師の診察や薬の処方を受けることができる診療です(厚生労働省)。 オンラインだと診療の質が落ちるのでは? 実は、約9割の医師が、オンライン診療を取り入れることによって、患者に提供する医療全体の質は「良くなる」「どちらかといえば良くなる」「変わらない」と回答しています。 株式会社メドレー「オンライン診療の実態調査」より オンライン診療ならWeMeetがおすすめ! WeMeetの特徴 ① えらべる診療医師によるオンライン/対面診療の他、心理士によるオンラインカウンセリングがございます。体調や状況に合わせて選択していただけます。 ② ムリなく継続1分で簡単にWEB予約ができるので、24時間いつでもご予約・日程変更が可能です。お財布にやさしい保険診療で、無理なく継続できます。 WeMeetでのオンライン診療の流れ WeMeetでのオンライン診療の流れをご説明します。 日程を選びネットで予約 問診票の記入 医師によるオンライン診療 クレジットカードで簡単決済 お薬の受け取り(最短翌日) \アプリDL不要・1分で予約/ ウィーミートで保険診療を予約する 本記事のまとめ 対人恐怖症は人との交流に強い恐怖や不安を感じる症状であり、日常生活に支障をきたすレベルになると治療が必要です。「対人恐怖症」は正式な診断名ではなく、社交不安障害(SAD)をはじめ、自閉スペクトラム症(ASD)、適応障害、うつ病、統合失調症など様々な精神疾患が背景にあるという点についても言及しました。 治療法としては、原因となる疾患に応じた薬物療法(主にSSRIやSNRIなどの抗うつ剤)や認知行動療法などの非薬物療法が効果的です。特に社交不安障害では、認知の偏りを修正する認知行動療法が有効とされています。 最後に、オンライン診療WeMeetのご案内をしました。本記事が少しでも皆さまのお役に立てれば幸いです。 アプリのDL不要 1分で予約 夜間診察あり 診療(ビデオ通話)、お薬の服薬指導と受取が お財布に優しい保険診療で受けられます。LINE登録はこちら ウィーミート院長ベトリッジ クリス先生精神科医 心療内科・精神科のコラム